開催概要
VR×教育公開ワーキンググループを開催しました。
前半は、国内でいち早く教育分野のブロックチェーン事業に参入したソニー・グローバルエデュケーションの高橋恒樹氏にご講演いただき、後半はワーキンググループメンバーがブロックチェーンを教育分野へ適用する際の課題について議論しました。
日 時 :2019年1月25日(金)10:00~12:00
場 所 :赤坂シュビア シーブルー
(〒107-0052 東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル)
<プログラム>
10:00~10:30 講演
10:30~12:00 議論
講演
「学習ブロックチェーンの取り組みと将来像~学習アプリ及び学校現場における活用実証実験~」
株式会社ソニー・グローバルエデュケーション
Blockchain PJ リーダー 高橋恒樹氏
・株式会社ソニー・グローバルエデュケーションは、ブロックチェーンを用いた学位・成績書等の学籍情報の記録や証明書の発行を行うシステムを開発している。
・KOOV CHALLENGEにてコンテスト受賞者にデジタル賞状を発行、Global Math Challenge / 世界算数の成績証明書の内容保証をブロックチェーンにより行なっている。
・埼玉県川越市にての実証実験では、小学校・中学校では学習成果をブロックチェーンに格納することによる学校現場での活用可能性・効果の検証を、高校ではインターンシップ管理やeポートフォリオサービスFeelnoteとの協業により、学習者の活動記録管理の実証を行なっている。
討議
1.「ブロックチェーン座談会」の報告
一般社団法人超教育協会上席研究員の福井啓介から、「ブロックチェーン座談会」の報告が行われた。
2.プレゼンテーション
「ブロックチェーン国内外の実態、活用事例等の紹介」
東京大学ブロックチェーン研究員 渡辺創太氏
・世界的大企業でもブロックチェーン開発が行われている。
・AmazonやIBMはBaaS( Blockchain as a Service )を公開している。
・デジタルで著作物の権利を取引可能であれば手続きが簡素化され無断使用が減る可能性がある。
3.プレゼンテーション
「超教育展でのアイデアソンのレポートと教育への活用例」
超教育協会研究員 小宮一恭
昨年12月1日の超教育協会主催の『超教育展』で行われた『ブロックチェーンを教育にどう活用するか?』の議論の中で、以下の活用例が挙げられた。
・成績証明書、修了証明書、学位のデジタル化
・学習履歴
・論文等の研究の追跡、評価
・教育コンテンツや学習教材の流通
・ノートの共有
・学生や研究への投資やクラウドファンディング
・学生作品の流通
・個人活動やスキルの証明
・資格更新のシステムをデジタル化
・蓄積した学習履歴で個人の学習に合わせた教育
・論文、記述式の評価システムを構築
・投票システムの活用
4.議論
(1)ブロックチェーンシステムを構築する際の課題
(a)制度・個人情報関連
・個人情報をトラストに取得、記録・活用するための目的の明示
・ブロックチェーン記録前の真正性の問題と記録後の改訂
・教育情報セキュリティーポリシーのガイドラインの整備
(b) 運用
・管理主体、卒業後の削除への対応等
・トラブルに対処する機関の必要性及びリスクマネージメント
・教材流通などで発生する収益と教員の副業の関係
・学習者が主体的に学ぶ教科を選べるような仕組み作り
・パブリックブロックチェーンとコンソーシアムチェーンの比較
(c) 収益モデル成立の可否
・ブロックチェーンを使用したシステムが、ビジネスとして成立するか?
(2) 超教育協会等に期待すること
(a) ブロックチェーンやデータ取得に関するコンソーシアムを構築し、省庁間等の壁を取り払うこと。
(b) ブロックチェーンを教育に導入する価値を、一般にも分かり易く説明すること。
ワーキンググループメンバー
岸上順一 室蘭工業大学教授
寺田眞治 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)主席研究員
高橋恒樹 株式会社ソニー・グローバルエデュケーションBlockchain PJリーダー
葉山ミキ NEOジャパン 代表
木原泰樹 株式会社Standage CFO
中村憲生 株式会社PITTO CTO
村瀬廣晃 株式会社想通 代表取締役
佐原剛 株式会社ランドコンピュータ 経営企画統括部 部長
渡部長人 株式会社ランドコンピュータ ビジネスインキュベーション推進部 担当部長
福井啓介 一般社団法人超教育協会 上席研究員
小宮一恭 一般社団法人超教育協会 研究員
石戸奈々子 一般社団法人超教育協会理事長