デジタル⼈財の育成を推進する⼀般社団法⼈超教育協会(理事⻑:⽯⼾奈々⼦慶應義塾⼤学教授)は、岸⽥⽂雄内閣へ以下を提⾔します。
超教育協会から岸⽥⽂雄内閣への提⾔
2021年11⽉
⼀般社団法⼈超教育協会
⼈材の育成が成⻑には不可⽋であり、⼗分な教育機会は適正な分配の基盤です。真に⼦どもたちへ投資することが、⽇本に成⻑と成熟を促します。
すべての児童⽣徒が環境や格差に左右されずに、個々の関⼼や特性を活かして学びを深め、問いを⾃ら⾒つけて学び続ける⼒を⾝につけることが肝要です。
そのためには、教育情報化「先進国」として世界をリードできるよう取り組むべきです。
具体的には、AI、IoT、ビッグデータ、VR/AR、ブロックチェーン等先端技術を教育に導⼊し、教科、試験、学校など、学びの内容・環境・評価を問い直すべきです。さらには、未就学児から社会⼈までの学校の枠を超えた未来の学習環境「超教育」をデザインし、実証実験・実装や制度整備を⾏うべきです。近年、進んできた教育改⾰の流れを決して⽌めてはいけません。
デジタル⼈財の育成を推進する超教育協会として、以下を提⾔します。
(1)GIGAスクール構想環境の確実かつ持続的な実現
GIGAスクール構想のもと、国主導で整備された環境が後退することがないようにしなければなりません。⼩学⽣、中学⽣、⾼校⽣全員が利⽤可能な⼀⼈⼀台の端末環境を維持すべきですし、学校内外での⾼速ネットワーク環境の整備も推進すべきです。そのため、児童⽣徒の学びを⽀える教職員全員分の端末や故障時の予備機も含めて、インフラとしての環境整備を確実かつ継続的に進めるべきです。使途を指定した予算措置や、持続可能なスキームの構築が早急に求められます。
加えて、ソフトウエア(アプリ)などクラウドサービスの利⽤料など、機器等の耐⽤年数やランニングコストなどを踏まえた、ICTを活⽤した教育環境の構築に必要⼗分な財政的⽀援を講じるべきです。
(2)省庁横断での教育データ利活⽤の推進
児童⽣徒が、⽣涯にわたって学び続けるに当たっては、学習者の⽬線に⽴って学校内外での学びの軌跡を蓄積していくことが重要です。そのため、デジタル庁を中⼼に関連省庁と⺠間事業者が連携して、データ利活⽤の定義や標準仕様について検討を進めるべきです。
GIGAスクール構想で整備された環境を活かし、公教育データの利活⽤を検討するとともに、公教育データ以外のデータ(個⼈活⽤データ)も利活⽤の対象とできる仕組みを構想すべきです。
(3)新たな教育情報セキュリティポリシーガイドラインに基づく学校の情報セキュリティ対策の強化
本年5⽉に「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が改定され、安全性と利便性を⾼めた情報セキュリティ対策が⽰されました。新たなガイドラインに基づき、学校の情報セキュリティ対策強化へ必要⼗分な財政的⽀援が⾏われるべきです。
同時に、セキュリティ対策や、フィルタリング等の普及による安⼼、安全への取組についても、従来以上の対策や予算措置が求められます。また、ガイドラインに掲載されていない、新たな問題も発⽣してきており、ガイドラインそのものの⾒直しも必要です。IT⽀援員、デジタル教材の指導者などの⼈的確保が求められるとともに、クラウド管理に対処できる⼈材の育成も必要となっています。学校教育情報化を担う⼈材確保が質的にも量的にも求められます。
以上